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「ゲノム編集技術応用食品等の食品衛生上の取扱要領(案)」及び「届出に係る留意事項(案)」 に係る意見の募集 に対する日本植物細胞分子生物学会からの意見

ゲノム編集技術を利用して得られた食品等の食品衛生上の取扱いについて、薬事・食品衛生審議会食品 衛生分科会新開発食品調査部会において報告書が取りまとめられました(平成31年3月27日)。今般、この提言を踏まえ、ゲノム編集技術の定義、提供を求める情報及び公表する届出情報の詳細について厚生労働省が定めた「ゲノム編集技術応用食品等の食品衛生上の取扱要領(案)」及び「届出に係る留意事項(案)」(平成31年3月27日 )について、日本植物細胞分子生物学会から以下の意見を提出させていただきます。

【1】当該報告書では、 第一にゲノム編集技術の定義を行い、その技術を応用して得られた食品をゲノム編集技術応用食品とゲノム編集技術応用添加物に分けて、さらに組換えDNA技術応用添加物と同様に「高度精製添加物」を定めたことは、既存の規制との整合性から評価できるもので、支持いたします。

【2】そして、これらの食品は届出の対象とするが、届出されたゲノム編集技術応用食品を利用して製造加工された 食品については届出を要しない こと、また、 当該添加物がゲノム編集技術により得られた微生物を利用して製造された物であり、同一の種に属する微生物又は自然界に存在する微生物と同等の遺伝子構成であることが明らかである場合、および 当該添加物がゲノム編集技術により得られた微生物を利用して製造された物であり、高度精製添加物である場合 は届出を不要としたことは、食品流通の現状を見ると現実的な対応であるとして支持いたします。同様にゲノム編集技術応用食品について、後代交配種では、厚生労働省へ届出を行った旨の公表がなされた品種同士又は従来品種 との後代交配種、および厚生労働省へ届出を行った旨の公表がなされた品種と安全性審査が終了した組換えDNA技術を利用して得られた生物との後代交配種については届出を不要としたことは、組換えDNA技術応用食品に対する既存の規制との整合性から考えて現実的な扱いであると考え、支持いたします。

【3】環境省通知では「得られた生物に細胞外で加工した核酸が含まれない場合」はカルタヘナ法の「遺伝子組換え生物等」に該当しないという判断がされています。一方で、厚生労働省はカルタヘナ法の「遺伝子組換え生物等」の対象外とされた生物由来の食品でも、ゲノム編集技術を利用して得られた食品等について、生物多様性への影響に係る知見の蓄積と状況の把握を図る観点から、当面の間、義務ではないものの届出を要請しています。この届出が使用者に過度の負担にならないように、また、国内外でゲノム編集技術の利用実績が蓄積されて、生物多様性への影響が実際に明らかになり、それが従来育種と同等と判断された場合は、食料生産、食品製造の技術的発展のために速やかに従来の育種技術と同等の取り扱いに改定されるようお願いいたします。 ゲノム編集技術を用いた研究開発が激化しております。政府の指導の下に各官庁が規制のあり方についてスピード感を持って検討していることは、研究分野においても産業界においても農林水産業を発展させつつ食品の安全を守る大きなチャンスであると思われます。一般国民の不安に応えながら安全性を確保しつつ、適切に利用できる環境整備をお願いしたいと思います。

一般社団法人 日本植物細胞分子生物学会 理事会
代表理事(会長) 山川 隆